開放骨折では感染が最大の敵! 専門医解説

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歌島 大輔

歌島 大輔

スポーツ整形外科医師(非常勤)さくら通り整形外科
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

今回は開放骨折における最大の敵とも言える、
細菌による感染、化膿ということについて
解説していきます。

なぜ開放骨折では感染しやすいのか
という基本的なことから、

見逃してはいけない感染のサイン
感染に対する治療法

感染が重症化してしまったらどうなってしまうのか
という最悪のシミュレーションまで

できるだけ噛み砕いて
お伝えできればと思っています。

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。
本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう。

開放骨折が感染しやすい理由は定義にあり

まずは、開放骨折とは?という、
基本的な部分を解説した、こちらの記事についても
ご覧いただけると、より理解が深まると思います。

開放骨折とは?専門医がわかりやすく解説します

2016.10.02

特に、

開放骨折の意味として、
最重要ポイントは、

骨折部が外界と交通してしまっている

ということです。

通常、骨は皮膚、皮下組織、
筋肉、骨膜などに覆われ、

完全な無菌状態ですが、

それが急に雑菌だらけの
外界にさらされてしまった

その結果、開放骨折とは

細菌感染のリスクが高くなっている
ということを解説いたしました。

まさにこの開放骨折の定義そのものが、
開放骨折が感染しやすい理由であるということですね。

開放骨折の感染を防ぐには応急処置が重要

そして、感染を防ぐために大切なのは
初期治療である、
応急処置や救急室での処置です。

こちらで解説していますので
ご参照ください。

開放骨折の応急処置は?現場から救急室まで!専門医解説

2016.09.30

カンタンにおさらいですが、

開放骨折の場合、
骨折部位の処置(外固定や手術固定)と
キズの処置(徹底洗浄)が必要ということ。

そして、細菌が繁殖してしまうまでの
時間との勝負であるということ。

これらが応急処置の重要ポイントでした。

開放骨折後の感染を見逃さないためのポイント

これら応急処置をしたあとに
感染が防げているか、
不運にも感染してしまっているか、
しっかりと判別していくわけです。

そのポイントですが、
基本は入院していて、
主治医、看護師が観察していきます。

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キズの観察

まず開放骨折のキズをしっかりと観察します。

キズの重症度によって、
毎日観察する場合と
週に3-4回観察する場合などがあります。

このキズの
赤み具合
腫れ具合

滲出液の量、質の観察をしていきます。

  • 赤みが強い、腫れが強い、
  • 滲出液が多くなった、
  • 明らかに白く濁った膿が出てきた、
  • キズが臭う

これらが細菌感染を疑う状態です。

発熱

感染が進むと、
全身に症状が出ますが、
その代表的な症状が発熱です。

開放骨折の当日、翌日は、
その外傷に対する反応で熱が出ることがありますので、
この直後の発熱は、
感染を過度に心配する必要はありません。

採血結果:白血球数・CRP

さらに採血データで、
主に白血球数とCRPという値を見ます。

感染があれば、これらが上がってきてしまいます。

開放骨折後の感染に対する治療

感染ありと判断すれば、
治療が必要になりますが、

一般的な開放骨折の治療についての
こちらの記事において

開放骨折の治療はどんなことをするの?専門医解説

2016.09.29

開放骨折後すぐに、
感染を防ぐために、抗生物質の点滴治療をする
という解説をいたしました。

つまり、感染と診断する前から、
治療はなされているというのがほとんどです。

それにもかかわらず、
菌が繁殖してしまったという状態は、
やはり重症です。

抗生物質による治療

もともと予防的に徹底的な抗生物質の投与が
あったわけですが、

それでもなお繁殖してしまった菌に対しては、
抗生物質を変更したり、追加したりして、
対応していきます。

手術による治療

多くの場合は、感染と診断したら、
抗生物質による治療だけでなく、

直接、キズを開いて、
大量の水で洗って、
細菌の繁殖の母床となりうる、
壊死組織(血流にとぼしい、正常でない部位)を
切り取ってしまいます。

これを洗浄+デブリードマンと呼んでいます。

引用元:ビジュアル基本手技-カラー写真で見る!骨折・脱臼・捻挫-羊土社-

引用元:ビジュアル基本手技-カラー写真で見る!骨折・脱臼・捻挫-羊土社-

こういう直接的な処置によって、
感染を鎮静化させます。

開放骨折後の感染の重症化

それでもなお、
感染のコントロールがつかず
重症化してしまうことがあります。

骨髄炎

まず一番深い位置の
骨、
骨折部まで細菌が繁殖してしまった状態です。

もともと一番深い位置にあり
守られている骨ですので、

細菌感染に弱いです。

この骨髄炎は非常に難治性
つまり、治りにくいということで有名で、

これがあると、
非常に長期間、
皮膚から骨まで通る穴がふさがらない瘻孔(ろうこう)
というものができることがあります。

敗血症

2016年にその定義が改訂されましたが、

それは専門的な話なので、
ここではシンプルに

敗血症:全身の血流を細菌が回ってしまう状態

と考えてください。

そうすると、骨折部位だけでなく、
内臓なども問題が出てきます。

これは命の危機にさらされている

という状態です。

当然、こうならないように、
感染は早期発見・早期治療を原則としていて、
リスクが高い開放骨折は入院が必要とする1つの理由です。

感染の怖さについて、
ご理解いただけたかと思います。

 

もし、ここまで重症でない開放骨折で、
入院していない方は、
この記事を参考に、怪しいと思ったら
病院に連絡をしてください。

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骨折は最初の2週間が勝負!


骨折の治療は骨がくっつきだしてしまうまでの最初の2週間で成否が決まると言っても過言ではありません。

納得いく治療を受けていただくために、こちらの記事を一度お読みください。

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どうしても多くの患者さんを拝見している中で時間をかけて人1人と向き合う時間がないのが悩みですが、それでも、患者さんの希望を、理想的にはゴールをできるだけ掴んで、お手伝いできること、提供できることを常に探しながら診療しております。

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