舟状骨骨折の症状の特徴 これで疑え! 専門医解説

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歌島 大輔

歌島 大輔

スポーツ整形外科医師(非常勤)さくら通り整形外科
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

今日はスポーツにおける手根骨骨折の中で
最も多い舟状骨骨折について解説します.

舟状骨骨折にはどんな症状の特徴があるのか
見逃さないために大切なポイントは?

という点にフォーカスしてお話しいたします。

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。。
本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

舟状骨骨折とは?

このレントゲンが典型的な舟状骨骨折ですが、
手首の親指側の小さな骨である舟状骨の骨折です。

引用画像:ネッター医学図譜 筋骨格系III 丸善株式会社

引用画像:ネッター医学図譜 筋骨格系III 丸善株式会社

これはいくら強調してもしきれませんが、
何より見逃さないこと!
これがが大切です。

実は痛みがあっても
プレーすることができちゃうことがあるんですね。

だから、指導者も両親も
病院を受診させないことがありますし、

トレーナーが介入している強豪チームでも、
むしろ民間療法的なことや、
ストレッチでお茶を濁しがちです。

実際、そういったチームで見逃されていた
舟状骨骨折を診断したこともあります。

また、舟状骨骨折は様々な普通の骨折とは違う
押さえておくべき点があり

手術もよく行われますし、
後遺症も少なくない骨折です。

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舟状骨骨折は偽関節などの後遺症が残りやすい

舟状骨骨折っていうのは、他の骨折に比べて、
後遺症が残りやすい骨折です.

その後遺症とは、

骨がくっつかなくなること(偽関節)

さらに長期的には、
手首の関節の軟骨のすり減りと変形
が起こり、その結果

  • 手首の痛みが残る
  • 手首の動きが悪くなる(可動域が落ちる)

そのため、スポーツパフォーマンスが上がらない、
もしくはスポーツ自体を断念

なんてことに繋がりかねません。

舟状骨骨折はなぜ後遺症が残りやすいのか?

後遺症が残りやすい要因は主に次の2点です。

  • 舟状骨を栄養している血管が骨折で傷めやすい
  • 見逃し・放置例が多い

もちろん血管が痛めば、骨に栄養がいかなくなりますから、
骨がくっつきにくくなります。

 

 

そして、なにより、
見逃し・放置が多いというのが重要です。

実際、我々整形外科医の中でも、
レントゲンで分からないことがあることで有名な骨折ですから、
非常に注意してみます。

そして、なにより冒頭でも話しました、
スポーツ現場での見逃し・放置となってしまった選手が
僕が知る中でも何人もいます.

ですから、ぜひ舟状骨骨折を現場で疑える!
という力をつけてほしいと思います.

この症状やポイントがあれば舟状骨骨折を疑おう!

1.手をついた・手首を捻った!

まず何がきっかけで痛くなったかを確認することが大切です。

引用画像:ネッター医学図譜 筋骨格系III 丸善株式会社

引用画像:ネッター医学図譜 筋骨格系III 丸善株式会社

多くは転倒時に手のひらから地面に手をついたケースですが、
他にバレーボールのレシーブや
ゴールキーパーのキャッチングで、
無理に手首を反ってしまったケースもあります。

2.この圧痛点を確認!

手首のやや親指側「舟状骨結節」

この場所の押し方ですが、
まず「脈」をとる場所がありますよね。

これは橈骨動脈を触っています.

そのすぐ小指側にいわゆる「スジ」があると思います。

これは「橈側手根屈筋腱」というもので、
手首を曲げる腱(筋肉の先のスジ)です。

その腱に沿って手のひらへ触っていくと、
硬い骨の突起が触れます。
これが舟状骨結節です.

引用画像:ネッター医学図譜 筋骨格系III 丸善株式会社

引用画像:ネッター医学図譜 筋骨格系III 丸善株式会社

引用画像:Grant's Atlas of Anatomy ,Wolters Kluwer Health

引用画像:Grant’s Atlas of Anatomy ,Wolters Kluwer Health

ここを押して痛いかどうかを調べてください。

かぎタバコ入れ「Snuff Box」

次にここ。舟状骨骨折と言えば、ここです。

まず親指を伸ばして反らして下さい。

そうするとこのようにスジが張りますね。
このスジは親指を伸ばす筋肉のスジです。
(長母指伸筋腱、短母指伸筋腱)

このスジの間が「かぎタバコ入れ(snuff box)」です。
ここにちょうど舟状骨があるわけですね。

引用画像:運動療法のための機能解剖学的触診技術 メジカルビュー社

引用画像:運動療法のための機能解剖学的触診技術 メジカルビュー社

ここを押して痛いかどうかを調べてください。

3.何となく痛みが続く・パフォーマンスが上がらない

ちょっと手をついた程度、ちょっと手首をひねった程度で、
特に指導者に言わなかった場合に発見が遅れます.

ですから、少し脱線しますが、
非常に大切なこととして、

  • 選手がちょっとした痛みでも指導者に相談できる環境づくり
  • 指導者がよく見てあげること

ということを徹底して下さい.

指導者が怖くて、言い出せない。
レギュラーから落とされそうで言い出せない。

なんて状態は実際のところ、
よほど注意して雰囲気を作り、環境を作らないと、

陥りやすい状態です。
こういうチームが日本には多いのが現状です.

 

それと同時に指導者は、
選手の痛がっているちょっとした仕草、
パフォーマンスの低下に目を配る必要があります.

そして、単純に見るだけでなく、
数値化して客観的にみれるものを
いくつかチームとして管理することが大切です.

基本中の基本として簡単にできるものとして

  • 体重
  • 体脂肪
  • 起床時の脈拍数
  • 食事摂取量(食欲)

これらがありますが、

 

その他に普段から握力を測定していれば、
舟状骨骨折を疑う指標になり得ます。

舟状骨骨折で痛みがある選手は、
たいてい握力が落ちています.

ですから、これで見逃しを防ぐことができます.

 

 

以上の様なポイントを押さえていただくことは、
その他、怪我の予防、パフォーマンス発揮のためにも役立ちます。

是非、舟状骨骨折の見逃しをなくしつつ、進化していきましょう。

次は舟状骨骨折の治療として、
手術、リハビリについて解説しております。

舟状骨骨折の手術とリハビリのポイント解説

2016.09.26

お読みいただきありがとうございました!

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骨折は最初の2週間が勝負!


骨折の治療は骨がくっつきだしてしまうまでの最初の2週間で成否が決まると言っても過言ではありません。

納得いく治療を受けていただくために、こちらの記事を一度お読みください。

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