手首の骨折 腫れが引かないのはなぜ?必要な処置は?

スポンサード リンク

The following two tabs change content below.
歌島 大輔

歌島 大輔

スポーツ整形外科医師(非常勤)さくら通り整形外科
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

今回は手首の骨折の
特に腫れについて解説していきたいと思います。

手首の骨折に限らず
腫れ、正確には腫脹と言いますが、
これは必ず起こります。

しかし、手首の場合は
それが目立つために
気になってしまう方が多いですし、
手首特有の注意点もあります。

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。
本日の記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

まず手首の骨についてのおさらいですが、

手首の骨折の痛みと症状の特徴を専門医が解説

2016.09.29

こちらの記事にあるように

手首というのは1つの関節ではなく、
10個にも及ぶ骨が複雑に絡まり合っています。

手首の中枢側の骨、
つまり、肘から先の腕の骨ですが、

橈骨(とうこつ)と
尺骨(しゃっこつ)という名前です。

肘から手首まで走っている2本の骨で、

手首側で太く、よりメインと言えるのは、
親指側の橈骨(とうこつ)です。

尺骨(しゃっこつ)は、
手首では非常に細いですが、

逆に肘では尺骨の方が太くなって、
メインの骨と言えます。

引用元:プロメテウス解剖学アトラス解剖学総__運動器系_第2版 医学書院

引用元:プロメテウス解剖学アトラス解剖学総__運動器系_第2版 医学書院


そして、手首の末梢側、
つまり指の方の骨ですが、

これがたくさんあります。

手根骨(しゅこんこつ)と言われますが、

1列に4つの骨で、
2列あります。

2列のうち、前腕側を
親指側から

  • 舟状骨(しゅうじょうこつ)
  • 月状骨(げつじょうこつ)
  • 三角骨(さんかくこつ)
  • 豆状骨(とうじょうこつ)

手の指側の1列を
親指側から

  • 大菱形骨(だいりょうけいこつ)
  • 小菱形骨(しょうりょうけいこつ)
  • 有頭骨(ゆうとうこつ)
  • 有鉤骨(ゆうこうこつ)

という名前が付いています。

この中で、
特に頻度が高いのが

橈骨の骨折で、

橈骨の手首側の骨折を
橈骨遠位端骨折と言います。

それと同時に横の尺骨も骨折して、
橈骨と尺骨の遠位端骨折というものも
かなり頻度が高くなります。

次に多くて、注意が必要のものが
舟状骨骨折であり、
こちらについては、
むしろ腫れが少ないことが注意点です。

こちらの記事を参照ください。

舟状骨骨折の症状の特徴 これで疑え! 専門医解説

2016.09.27

手首の骨折の腫れを2つに分類

手首の骨折後の腫れを
2つにわけて考えたほうがいいので、

それぞれ解説して参ります。

手首骨折後の腫れ:腫脹

1つめは腫れそのものですが、
正確には腫脹というものです。

 

骨折をすれば、当然、
そこから出血します。

それによる内出血、
それによる腫れ
これが最初に起こりますが、

その後の腫れは、
炎症というものを表します。

炎症とは、骨折を治そうとする体の
自然な生体防御反応で、

必要なものです。

骨折でダメージを食らって、
どうしようもない部分はお掃除して、
また、治すべき材料(細胞や物質)を
どんどん集めてきます。

それは主に血液や滲出液など液状成分
であるため、
どんどん骨折部はふくれあがり、
つまり、腫れるわけです。

まったく炎症が起こらない人は、
骨折も治りません。

ただ、どうしても人の体は
守ろうとするあまり、
行き過ぎる傾向があって、

骨折後は治癒に悪影響が出るくらいに、
腫れが強くなってしまったりするわけですね。

手首骨折後の腫れ:浮腫(むくみ)

もう一つは、
腫れと混同する患者さんがほとんどですが、

浮腫
すなわち、むくみです。

これは炎症で起こる腫脹とは異なります。

骨折時の浮腫(ふしゅ)は
血の巡りが悪くなるのが原因です。

手首の骨折では、
当然、折れた手首の骨の周囲に
どんどん炎症による液状成分
(出血や滲出液)が集まります。

これは腫脹と説明しましたが、
そのせいで、
その部分だけ圧が上がって、

手の指の方から、
静脈を通って、
心臓にかえる 血の巡り

これが障害されます。

つまり、手首でストップしちゃうんですね。

そのせいで、
手の指や手のひら、手の甲の
血の巡りが悪くなって、
水分が心臓に返らなくなるので

どんどん水分がたまってきます。

それが浮腫です。

手首の骨折なのに、
手の指までぶくぶくに腫れてしまうのは、
これが1つです。

スポンサード リンク

ついでにもう一つ、
重力に従って、内出血が指に降りてきて、
これがまた浮腫を悪くします。

手首の骨折の腫れに必要な処置は?

それでは、腫脹と浮腫
これを抑えて、良くするのに必要なことは何でしょうか?

腫脹を抑える、良くするには?

腫脹を抑える。
それはすなわち炎症を抑えることになりますが、

大切なのは
骨折部のしっかりとした整復(元の位置に戻す)と、
固定です。

これは病院で医師がやりますので、
任せるしかありませんが、

さらにできることとしては、

患部の安静
アイシング(患部を冷やす)
挙上(心臓より高く挙げる)になります。

これは外傷の初期治療で言われる、
RICE療法と同じことです。

骨折の応急処置をスポーツドクターが解説!

2016.09.23

こちらの記事もご参照ください。

浮腫を抑える、良くするには?

浮腫の基本も、
水を心臓に返すことなので、

RICE療法が基本です。

手を心臓より高く保ち、
可能な部位は圧迫する。

そして、さらに重要なのは、
手首の骨折ですので、
基本、指は動かせます。

多少痛いと思いますが、
積極的に指をしっかりと動かす。

それも完全に握り、完全に開く
という動きをゆっくりでも繰り返す。

これによって、筋肉が使われて、
血の巡りがよくなりますし、

腱が滑ることでも、
周囲の血の巡りを促します。

 

 

今回は、手首の骨折後の腫れということで、
腫脹と浮腫という2つがあり、

その改善法として、
基本であるRICE療法と呼ばれるものと、
指のグーパー運動

これが効果的であるということでした。

少しでも参考になりましたら幸いです。

スポンサード リンク

骨折は最初の2週間が勝負!


骨折の治療は骨がくっつきだしてしまうまでの最初の2週間で成否が決まると言っても過言ではありません。

納得いく治療を受けていただくために、こちらの記事を一度お読みください。

当サイト管理人 歌島の診察希望


当サイト管理人の歌島は関東の複数の病院で診療を行っております。

どうしても多くの患者さんを拝見している中で時間をかけて人1人と向き合う時間がないのが悩みですが、それでも、患者さんの希望を、理想的にはゴールをできるだけ掴んで、お手伝いできること、提供できることを常に探しながら診療しております。

プロフィールはこちらをご参照ください。
スポーツコーチングドクター歌島のプロフィール

ABOUTこの記事をかいた人

歌島 大輔

スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。