手首 骨折の手術後のリハビリポイントを解説

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歌島 大輔

歌島 大輔

スポーツ整形外科医師(非常勤)さくら通り整形外科
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

今回は
これは手首の骨折で最も多い骨折である、
橈骨遠位端骨折の手術後のリハビリを例に、
手首の骨折の手術後のリハビリポイントを解説します。

僕自身も毎週のように診察し、
ギプスを巻いたり、
手術をしたりしています。
そういった中で、
患者さん本人が自分でしっかりやることが大切なのが、
リハビリテーションです。

そのため質問や不安が大きいのも、
リハビリテーションであり、

短い外来期間において丁寧に説明、
ご指導することが難しいのが悩みのタネです。

今回は実際に
お困りの方に、少しでも助けになればということで
手首のリハビリについて
解説いたします。

 

こんにちは、歌島です。
本日は記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

手首の骨折の代表:橈骨遠位端骨折とは?

まず橈骨遠位端骨折とは?
ということについて、おさらいです。

橈骨とは前腕を構成する2本の骨のうち、
親指側の骨であり、

手首側で太くなって、
手首の関節を構成する主役の骨です。

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その橈骨の「遠位端」ですが、

遠位と近位という言葉は医学において
よく使われます。

心臓(身体の中枢)に近い方を近位
遠い方を遠位

すなわち、遠位は末梢に近い方になるわけですね。

そのため、肘から手首までの前腕の骨である
橈骨においては、
遠位端というのは手首を表します。

つまり、橈骨が骨折してしまう、
橈骨骨折のうち、
手首側で骨折してしまうのを
橈骨遠位端骨折と言います。

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橈骨遠位端骨折の治療

治療についても、少しだけ解説しておきます。

骨折ですから、
もとの形でくっついてくれること

これが1つのゴールです。

そのためにギプスやシーネなどの、
外からの固定(外固定)をまず考えます。
それで、骨の位置がずれてこなければ
骨がくっつくまで固定です。

しかし、骨のズレが戻らないときや、
外固定でだんだんズレてくるときは、
手術になります。

その手術というのは、
麻酔をして痛みがない状態で、
骨をいい位置に戻して、
金属で直接固定するという方法です。

なんて言うと、
カンタンな言い方になってしまいますが、
いろいろな金属でいろいろな固定法があります。

代表的なプレート固定については
こちらの記事をご参照ください。

手首の骨折でプレート手術はどういうものになる?

2016.10.12

また、いろいろな骨折の形や
重症度があり、

1人として同じ骨折はない

というのが骨折治療の難しさです。

手首の骨折の手術後リハビリの大原則

まず大まかなリハビリの大原則をお伝えします。

骨折治療のめざすべき理想

骨折の治療における理想は、
シンプルに言えば、

元通りにすること
になりますが、

その元通りということの要素は

  • 痛みが元通り(通常は痛みがない状態)
  • 関節の可動域(動かせる幅)が元通り
  • 筋力が元通り
  • 形が元通り

ということになります。

手首の骨折のリハビリにおける可動域の考え方

その中で、
関節の可動域と筋力については
リハビリテーションによって獲得するものです。

(実際は痛みもリハビリによって改善します)

完全にカタまってしまうとなかなか良くならないので、
できるだけ早めから関節の可動域訓練を行います。

しかし、同時に、

関節を動かすということは
骨折部位がズレてしまいかねないので、

骨がくっつくか、もしくは
骨が動かないくらい強固に手術で固定した時点で、

関節を動かして、
可動域を広げる訓練をします。

それがまだまだ不安がある段階では、
ギプスやシーネを使った外固定をします。

そういった意味では、
われわれ整形外科医は
動かしてはいけない、動かしてほしくないところは
基本的には動かないように固定します。

逆に固定していないところは、
程度はケースバイケースですが、
動かしていいということになります。

ほとんどの手首の骨折では、
手指は動かせるように固定されるはずです。

それも指先から3番目の
MP関節という部分まで動かせるように
固定するのが基本です。

こちらがMP関節で指を曲げた写真です。

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つまり、手首の骨折、
特に橈骨遠位端骨折のときは、
手首だけを外固定し、
手の指は骨がくっつく前から、
積極的に動かした方がいいということになります。

橈骨遠位端骨折のリハビリ 手指編

ということで、手指のリハビリからです。

まず、指先から1つめ(DIP関節)
2つめ(PIP関節)
3つめ(MP関節)
まで
指の関節がしっかり動くことを確認してください。

シーネやギプスが長すぎて、
その関節が動かないようでは、
いいリハビリはできません。
指の関節が固まってしまいます。

ですので、指の関節が動かない場合は、
主治医に相談してください。
シーネやギプスをまき直します。

そして、リハビリはシンプルです。

指を完全に伸ばして、完全に曲げる
それを3つの関節(親指は2つ)すべてにおいて
しっかりやるということです。

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最初は痛みがあったり、
むくみ、腫れがあって、
なかなかできないかもしれません。

それでも少しずつ、
動く幅が広がるようにやっていきましょう。

橈骨遠位端骨折のリハビリ 手関節編

骨がくっつくか、
手術でしっかり固定されたと判断した時点から、

手首は動かしていくことになります。
こちらのほうが
骨折部位と近くて心配だと思います。

どの程度の痛みを我慢して、
リハビリをやっていくべきかは
主治医とよく相談してください。

これは実際にケースバイケースです。

そして、
手首(手関節)の可動域の訓練は
主に4種類です。

それは手関節の動きで言うと、

  • 掌屈
  • 背屈
  • 回内
  • 回外

になります。

それぞれどういう動きかというと、

掌屈:掌(手のひら)側に手首を曲げる動き

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背屈:手背(手の甲)側に曲げる動き

回内:「小さく前へならえ」の姿勢から手のひらを下に向ける動き
回外:「小さく前へならえ」の姿勢から手のひらを上に向ける動き

になります。

回内、回外において、

「小さく前へならえ」の姿勢から

というのは、

そこで、肩の動きを固定する意味があります。

要は、回内も回外も
手のひらをくるくると回す動きですが、

実際は、肩関節もくるくる回るので、
(肩の内外旋)
実は手首を回してるつもりが、
肩で回しているだけということがあります。

それでは意味ないので、「小さく前へならえ」で
肩を動かさないようにしているんですね。

 

 

実際のリハビリは、
それぞれ骨折していない側の手を使って、

手首をそれぞれの方向に
じわじわと曲げていく、動かしていく。

それをゆっくりと10回1セットにして、
2−3セット/日を最低として
毎日継続していただくというのが基本になります。

 

今回はリハビリの基本的な考え方を
まず押さえていただきたいと考えて、
記事を書きました。

参考にしていただければ幸いです。

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骨折は最初の2週間が勝負!


骨折の治療は骨がくっつきだしてしまうまでの最初の2週間で成否が決まると言っても過言ではありません。

納得いく治療を受けていただくために、こちらの記事を一度お読みください。

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当サイト管理人の歌島は関東の複数の病院で診療を行っております。

どうしても多くの患者さんを拝見している中で時間をかけて人1人と向き合う時間がないのが悩みですが、それでも、患者さんの希望を、理想的にはゴールをできるだけ掴んで、お手伝いできること、提供できることを常に探しながら診療しております。

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