手首 骨折後のリハビリポイントを専門医が解説

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歌島 大輔

歌島 大輔

スポーツ整形外科医師(非常勤)さくら通り整形外科
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

今回は手首の骨折後、
特に手術をせずに外固定をして治療した場合の、
リハビリテーションについて、
そのポイントを解説いたします。

手術をしたあとのリハビリテーションについては、
こちらの記事をごらんください。

手首 骨折の手術後のリハビリポイントを解説

2016.10.14

原則は手術した場合も、
しない場合も大きく変わりません。
そのため、説明が重複する面もありますので、
ご了承ください。

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。
本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう。

手首の骨折で最多:橈骨遠位端骨折とは?

まず手首の骨折において
最も頻度が高い、
橈骨遠位端骨折についてカンタンに解説いたします。

橈骨(とうこつ)とは
前腕を構成する2本の骨のうち、
親指側の骨であり、

手首側で太くなって、
手首の関節の主役の骨です。

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その橈骨の「遠位端」ですが、

遠位と近位という言葉は医学において
よく使われます。

心臓(身体の中枢)に近い方を近位
遠い方を遠位

すなわち、遠位は手の指に近い方になるわけですね。

そのため、肘から手首までの前腕の骨である
橈骨においては、
遠位端というのは手首を表します。

長々と説明いたしましたが、
要は、橈骨の手首側の骨折

それが橈骨遠位端骨折となります。

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橈骨遠位端骨折の保存治療

治療についてですが、

骨折ですから、
もとの形でくっついてくれること

これが1つのゴールです。

そのためにギプスやシーネなどの、
外からの固定(外固定)をまず考えます。

これは昔は石膏でできていたものですが、
今はプラスチックギプスといって、

水で固まる合成樹脂でできたものを使います。

これによって、
骨折部位がずれないように、
関節と骨折部を固定する

ということですね。

この外固定によって、
骨折部がいい形にキープできて、
そこからズレてこなければ

骨がくっつくまで固定です。

しかし、骨のズレが戻らないときや、
外固定でだんだんズレてくるときは、
手術になります。

手首の骨折のリハビリの大原則

まず大枠として、
リハビリの大原則をお伝えします。

骨折治療のめざすべき理想

骨折の治療における理想は、

元通りにすること

になりますが、

その元通りということの要素は

  • 痛みが元通り(通常は痛みがない状態)
  • 関節の可動域(動かせる幅)が元通り
  • 筋力が元通り
  • 形が元通り

ということになります。

手首の骨折のリハビリにおける可動域の考え方

その中で、
関節の可動域と筋力については
リハビリテーションによって獲得するものです。

(実際は痛みもリハビリによって改善します)

特に可動域については、
完全にカタまってしまうとなかなか良くならないので、
できるだけ早めから関節の可動域訓練を行いたい・・・

しかし、同時に、

関節を動かすということは
骨折部位がズレてしまいかねないので、

骨がある程度くっついた
と判断した時点で、シーネやギプスなどの
外固定を外して可動域訓練を行います。

 

ここで、じゃあ、どこは動かしちゃダメで、
どこは動かしてもいいのか?

ということを疑問に思われるかもしれません。

われわれ整形外科医は
動かしてはいけない、動かしてほしくないところは
基本的には動かないように固定します。

つまり、固定していないところは、
基本的には動かしていいということになります。

ほとんどの手首の骨折では、
手の指は動かせるように固定されるはずです。

それも指先から3番目の
MP関節という部分まで動かせるように
固定するのが基本です。

こちらがMP関節で指を曲げた写真です。

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つまり、手首の骨折のときは、
手首だけを外固定し、
手の指は骨がくっつく前から、
積極的に動かした方がいいということになります。

手首の骨折後のリハビリ 手指編

ということで、手指のリハビリからです。

まず、指先から1つめ(DIP関節)
2つめ(PIP関節)
3つめ(MP関節)
まで
指の関節がしっかり動くことを確認してください。

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シーネやギプスが長すぎて、
その関節が動かないようでは、
いけけません。

ですので、指の関節が動かない場合は、
主治医に相談してください。
シーネやギプスをまき直します。

 

 

リハビリ自体ははシンプルです。

指を完全に伸ばして、完全に曲げる
それを3つの関節(親指は2つ)すべてにおいて
しっかりやるということです。

最初は痛みがあったり、
むくみ、腫れがあって、
なかなかできないかもしれません。

それでも少しずつ、
動く幅が広がるようにやっていきましょう。

指を動かしたがために、
手首の骨折がズレてしまう
ということは基本的にはありませんので、
積極的に動かしましょう。

 

※ただし、ここは我々の仕事の問題ですが・・・

ためしに手首をまったく動かさずに
指をグーパーしてみてください・・・

少し手首、動いてしまいませんか?

そうなんです。
まったく手首を動かさずに
指だけ動かすって言うのは、難しいんですね。

そのため、指を積極的に動かしましょう。
というのは、しっかり手首が固定できている。
という前提のもとのアドバイスになります。

なんか、外固定がゆるゆるで
心配だなぁ
というときは主治医に相談してみてください。

手首の骨折後のリハビリ 筋力訓練編

筋力もどうしても落ちてしまいます。
おそらく、ギプスなどの外固定を外したときに、
左右の腕を比べると、
ほぼ間違いなく細くなってしまっていると思います。

それは筋肉が萎縮してしまっているわけですが、
その萎縮を少しでも食い止めるために、

外固定中にも筋力訓練ができます。

これは受傷直後は痛みもありますし、
骨折の不安定性も強いので、やるべきではありませんが、

受傷後3週以降くらいであれば、
主治医と相談の上

指を曲げる、伸ばす
という動きを、

折れていない手で抵抗を加えながら、
10秒くらいかけて、ゆっくりと動かしていく。

回数は前腕に疲労感が出る位を目安にやりましょう。

これによって、
前腕の筋肉群を刺激することができますので、
やる価値があります。

手首の骨折後のリハビリ 手首編

骨がある程度しっかりくっついた
と判断した時点で、
(受傷後の経過時間と、レントゲンで判断します)

手首は動かしていくことになります。

こちらのほうが
骨折部位と近くて心配だと思います。

どの程度の痛みを我慢して、
リハビリをやっていくべきかは
主治医とよく相談してください。

これは実際にケースバイケースです。

 

そして、
手首(手関節)の可動域の訓練は
主に4種類です。

それは手関節の動きで言うと、

  • 掌屈(しょうくつ)
  • 背屈(はいくつ)
  • 回内(かいない)
  • 回外(かいがい)

になります。

それぞれどういう動きかというと、

掌屈:掌(手のひら)側に手首を曲げる動き

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背屈:手背(手の甲)側に曲げる動き

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回内:「小さく前へならえ」の姿勢から手のひらを下に向ける動き
回外:「小さく前へならえ」の姿勢から手のひらを上に向ける動き

になります。

 

 

 

実際のリハビリは、
それぞれ骨折していない側の手を使って、

手首をそれぞれの方向に
じわじわと曲げていく、動かしていく。
(他動可動域訓練)

というものと、

自分の力だけで、
手首をそれぞれの方向に動かしていく。
(自動可動域訓練)

それぞれをゆっくりと10回1セットにして、
2−3セット/日を最低として
毎日継続していただくというのが基本になります。

 

 

今回はリハビリの基本的な考え方を
まず押さえていただきたいと考えて、
記事を書きました。

参考にしていただければ幸いです。

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骨折は最初の2週間が勝負!


骨折の治療は骨がくっつきだしてしまうまでの最初の2週間で成否が決まると言っても過言ではありません。

納得いく治療を受けていただくために、こちらの記事を一度お読みください。

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どうしても多くの患者さんを拝見している中で時間をかけて人1人と向き合う時間がないのが悩みですが、それでも、患者さんの希望を、理想的にはゴールをできるだけ掴んで、お手伝いできること、提供できることを常に探しながら診療しております。

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