手首 骨折の治療期間をシミュレート 専門医解説

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歌島 大輔

歌島 大輔

スポーツ整形外科医師(非常勤)さくら通り整形外科
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

手首の骨折の治療期間がどのくらいになるのか?
骨折をしてしまえば、
当然、これは気になるところですね。

ただ、それだけでなく、
この治療期間はどういう治療をしていって、
どういうことに気をつければいいのか?
気になりますよね。

今回は特に手術をしない場合の
骨折をしてしまってから、
スポーツに復帰するまでの治療期間を
シミュレートするような記事にしてみたいと思います。

これでどういう治療経過を辿るのか、
イメージがでればいいなと思って書いております。

 

手術をする場合の入院期間の
シミュレート記事もありますので、
こちらをご参照ください。

手首の骨折で手術した場合の入院期間をシミュレート

2016.10.13

 

 

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。
本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

手首の骨折の基礎知識として手首の骨を知る

まず治療期間のシミュレーションの前に、
基礎知識を整理しておきましょう。

こちらの記事で
手首の骨折の症状について解説しております。

手首の骨折の痛みと症状の特徴を専門医が解説

2016.09.29

また、手首の関節を形成する骨は、
前腕側の2本の骨と
手のひら側の8個の手根骨があり、

前腕側の橈骨(とうこつ)という骨と
手のひら側の舟状骨(しゅうじょうこつ)という骨が

骨折しやすく、注意が必要というお話でした。

 

それでは、そんな手首の骨折をしてしまった場合の
シュミレーションに参ります。

【受傷当日 or 翌日】手首の骨折をしてしまったら

病院受診のタイミングは当日か翌日

当然、病院を受診しますね。

すごく腫れたり
明らかに変形していたり
傷も伴う骨折疑い状態だったり(開放骨折疑い)

※開放骨折についてはこちらの記事参照

開放骨折とは?専門医がわかりやすく解説します

2016.10.02

そんな重症の骨折を疑う場合は、
時間を問わず
整形外科医がいる救急外来に連絡して受診しましょう。

そうでなければ、
RICE療法を徹底して、
翌日の朝イチで、整形外科受診でも大丈夫です。

外来でやることは診察→レントゲン→整復固定→レントゲン

外来に呼ばれると、

まず医師の問診、診察があります。

ここで伝えるべきポイントは、
受傷機転です。

つまり、どうなって手首を傷めてしまったのか?

転んで手のひらから地面についてしまうケースが多いですが、
手の甲からついてしまうケースもあれば、
手を捻ってしまうケースもあります。

これらを覚えておくこと、
できるだけ正確に伝えることが大切です。

この受傷機転によって、
骨にどういう力が加わって、骨が折れてしまったのか、

それがわかります。

 

そのほか、いくつか質問や診察があって、
レントゲンになります。

 

 

レントゲン室で
手首の正面と側面の2方向か、
さらに斜位という斜めからの2方向を追加した
4方向のレントゲン撮影が一般的です。

レントゲン技師に
手首のポジションを指定されると思います。

この状態でできるかぎり少しも動かさない
撮影することが大切です。

角度が5°でもずれると、
写真がだいぶ違うように写ってしまいます。

 

そして、レントゲンが終わると、
今の時代は、すぐに診察室のパソコンに画像が送られ、
医師が見られるようになります。

再度、診察室に呼ばれて、
入ると、レントゲンの説明があり、

処置となります。

処置は骨折をできるだけ元の位置に戻して、
固定するということになります。

骨折を元の位置に戻す方法は
いくつかありますが、

まず痛みをコントロールするために
適宜麻酔の注射を打ったりしつつ、

医師が直接、骨折を戻します。
これを徒手整復と言います。

レントゲンをリアルタイムで
見ながらやることもありますし、

点滴台からつり下げたひもで指を引っ張りながら、
整復する方法もあります。

これは医師が慣れた方法でやることが多いです。

 

そして、整復した状態で、シーネなどを副え木をあてて、
包帯を巻いて固定が完成します。

 

この状態のレントゲンを確認し、
注意点の説明があって終了です。

【受診日以降から1週間】急性期治療

この最初の1週間は重要です。

まだまだ炎症が強い時期ですし、
頑張って戻した骨折が、
またズレてしまう可能性が高いのはこの時期です。

そういった意味では、
RICE療法の徹底がポイントになります。

RICE療法についてはこちらをご参照ください。

骨折の応急処置をスポーツドクターが解説!

2016.09.23

 

そして、1週間くらいで
再度、外来受診となります。

主な目的は再度レントゲンを撮って、
ズレてこないかの確認と、

シーネなどの固定が緩んでいないか
緩んでいれば再度固定する

ということです。

 

だいたい1週間くらいは
まだ骨折もかなり不安定なので、
ズレてしまうこともありますし、

最初に別の医師の整復が
僕から見ると、もうちょっとできるんじゃないかな・・・
と思ってしまうことがあり、

もう一度、整復をやりなおすこともあります。

【2週間目以降】骨が徐々にくっつく時期

2週間目以降は、
1週間から2週間に1回くらい、
レントゲンのチェックが入ります。

骨のくっつき具合によっては、
固定の方法を変更することがあります。

最初はズレやすいので、
肘から手首までしっかり固定していたものが、

肘はフリーで動くような固定に変えたり

というような修正ですね。

 

【1から1.5ヶ月】固定が外せる時期

だいたい4-6週間で固定が外せると判断
(レントゲンと診察所見)したら、

外してみます。

大丈夫と判断して外すわけですが、
それでも、外した直後は注意が必要です。

少しずつ、手首を動かすようにしますが、
最初の1週間は無理せずでいきましょう。

僕の場合は、固定を外した1週間後に必ず
レントゲンを撮像して
悪くなってないことを確認します。

それが確認できれば積極的に
手首を動かしていくように指導しています。

【固定を外した後】手首のリハビリが中心

外して、1週間後のレントゲンも問題なければ、

手首の可動域が元通りになるくらいを目指して、
積極的にリハビリをしていきましょう。

リハビリについてはこちらを参照ください。

手首 骨折後のリハビリポイントを専門医が解説

2016.10.10

 

そして、手首の可動域もかなり改善し、
痛みもなく、
レントゲンでも骨のくっつきがかなり進んだ段階で、

いよいよ、スポーツ復帰などを検討していきます。

よく相談して、
段階的に復帰を目指していただければと思います。

 

 

以上、それぞれサラッとですが、
各治療段階でどのようなことをやっているのか、

どのような点を注意するのかを解説いたしました。

 

少しでも参考にしていただければ幸いです。

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骨折は最初の2週間が勝負!


骨折の治療は骨がくっつきだしてしまうまでの最初の2週間で成否が決まると言っても過言ではありません。

納得いく治療を受けていただくために、こちらの記事を一度お読みください。

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どうしても多くの患者さんを拝見している中で時間をかけて人1人と向き合う時間がないのが悩みですが、それでも、患者さんの希望を、理想的にはゴールをできるだけ掴んで、お手伝いできること、提供できることを常に探しながら診療しております。

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