肘の剥離骨折とは?これを読めばまるごと理解 専門医解説

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歌島 大輔

歌島 大輔

スポーツ整形外科医師(非常勤)さくら通り整形外科
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

今回は肘の剥離骨折として、
その代表的な肘の内側の損傷である、
上腕骨内側上顆剥離骨折について解説いたします。

外傷で傷めることもあれば、
野球肘の重症型として傷めることもあります。

そのメカニズムから、
治療法まで専門医の視点から解説いたします。

 

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です
本日は記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

今回の剥離骨折とは英語ではavulsion fractureのことを指します。
ただ、元来、avulsion fractureは裂離骨折(れつりこっせつ)
と言う言葉が正しいとされ、
剥離骨折という言葉は間違って使われている。

と言葉の使い方に厳しい先生が指摘されるケースは
よく見てきました。

現段階では日本整形外科学会は
どちらの用語も認めておられます。

用語集の解説を引用いたします。

【avulsion fracture】
この語は第 5 版増補までは「裂離骨折」としていたが,第 6 版では「裂離
骨折,剥離骨折」と 2 通りの言い方を認めた.元来 avulsion fracture は骨折
機序に重きを置いた用語で,筋腱付着部の骨が引っ張られることによる骨折を
意味する.本用語集では従来からこれを「裂離」と呼び,母床から離れている
かどうかに重きを置いた「剥離」とは区別してきた.また手術操作としての
「剥離」と同じ日本語になることを回避する意味もあった.しかし現実には
avulsion fracture を「剥離骨折」と言う習慣が根強くあり,審議の結果,2 つ
を併記することにした.この判断については,会員から賛否両論が寄せられた
が,第 8 版では変更せず,継続課題とした.
整形外科学用語集 第8版 日本整形外科学会編

肘の剥離骨折・・・そもそも剥離骨折とは?

剥離骨折の定義、特徴については
こちらの記事をご参照ください。

剥離骨折とは?どんな症状?意外と多い勘違い 専門医解説

2016.10.19

簡単に言うと、筋肉や靱帯の付着部である骨が
一部剥がれるように折れてしまう。

そして、そのメカニズムは肉離れや靱帯損傷と類似している。

ということなんですね。

今回の肘の内側、

上腕骨内側上顆剥離骨折に関して言うと、

筋肉の付着部でもあり、
靱帯の付着部でもある
という非常に重要な部位であり、

ということは、引っ張られるストレスが
かかりやすい、
すなわち折れやすい部位でもあると言えます。

肘の剥離骨折の代表:上腕骨内側上顆剥離骨折とは?

上腕骨の内側上顆とは?

それでは上腕骨内側上顆という部位から解説いたします。

上腕骨はそのまま、
上腕の骨です。

肘から肩までの一本の骨ですね。

この骨の一番先、肘側の
さらに内側に出っ張っている部分

内側上顆と言います。

 

elbow6-2

引用画像(一部改変):i肘関節外科の要点と盲点 (整形外科knack & pitfalls)第一版 文光堂

 

内側と言っても、どこからみて内側か?

と言うことで迷わせてしまいますが、

腕を下ろして、
手のひらを前に向けた状態で、
内側に来る、小指側に来るのが

内側上顆です。

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上腕骨内側上顆は筋肉と靱帯の付着部

この内側上顆の大切なポイントは

内側側副靱帯という靱帯(先ほどのイラスト)と、
前腕屈筋群という筋肉の付着部であるということです。

引用画像(一部改変):i肘関節外科の要点と盲点 (整形外科knack & pitfalls)第一版 文光堂

引用画像:i肘関節外科の要点と盲点 (整形外科knack & pitfalls)第一版 文光堂

内側側副靱帯というのは、
野球選手がよくアメリカで手術をする靱帯で、
投球動作にときにどうしてもストレスがかかってしまう靱帯です。

また、前腕屈筋群というのは、
手首や指を曲げる筋肉で、それらが、主に
内側上顆にくっついているということです。

肘の剥離骨折:内側上顆ではまず靱帯付着部が折れやすい

肘の内側上顆の剥離骨折は、

主に手をついて、
肘がいわゆる内また(これは膝で使う言葉ですが)
のように反ってしまった場合や、

引用画像:i肘関節外科の要点と盲点 (整形外科knack & pitfalls)第一版 文光堂

引用画像:i肘関節外科の要点と盲点 (整形外科knack & pitfalls)第一版 文光堂

ピッチング動作など投げるときに、
肘がしなる動きの繰り返しで、

剥がれて折れてしまいます。

 

これは主に強靱な内側側副靱帯の
付着部が剥がれて折れます。

さらに、強い負荷がかかると、
筋肉の付着部もまとめて、折れてしまう

ということになります。

肘の剥離骨折の症状・痛みの部位はここ

剥離骨折を見つけるには
レントゲンが必要になりますが、

まずその骨折を疑う必要がありますね。

そこで、肘が痛いということがスタートになりますが、

さらに、触れていって、

この内側上顆、つまり肘の内側の出っ張り、
ここを押しての痛みがあったり、
この周りに腫れがあれば、
強く疑うということになります。

肘の剥離骨折:内側上顆剥離骨折の治療とは?

治療は保存治療と手術治療の2つがあります。

手術が必要な場合

手術が必要な典型的な場合は、
骨折のズレがある程度ある場合です。

骨片があまりに小さい場合というのは
この部位の剥離骨折では少なく、

むしろ、年齢によって、まだ
骨ができておらず、小さく見えることがほとんどです。

そのため、ズレがあれば手術
というくらいに思っていてもいいと考えております。

引用画像(一部改変):i肘関節外科の要点と盲点 (整形外科knack & pitfalls)第一版 文光堂

引用画像(一部改変):i肘関節外科の要点と盲点 (整形外科knack & pitfalls)第一版 文光堂

 

ただし、野球肘のような
オーバーユースによる剥離に関しては、

多少のズレであれば、
関節がグラグラするような不安定性
(医師の診察で判断)がなければ、

手術をせずに安静や固定で経過を見る
ことが原則と言われています。

 

つまり、一発の外傷で折れてしまったケースと
使いすぎでだんだん剥がれたケースでは、

手術の必要性が少し異なる

と言えますので、よくよく主治医と相談して
納得して治療していただきたいと思います。

 

 

本日は、肘の剥離骨折として代表的な
上腕骨内側上顆剥離骨折について、
そのメカニズムから症状、治療について解説いたしました。

少しでも参考になりましたら幸いです。

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骨折は最初の2週間が勝負!


骨折の治療は骨がくっつきだしてしまうまでの最初の2週間で成否が決まると言っても過言ではありません。

納得いく治療を受けていただくために、こちらの記事を一度お読みください。

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歌島 大輔

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