剥離骨折の完治に必要な自分でできる3つのポイント

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歌島 大輔

歌島 大輔

スポーツ整形外科医師(非常勤)さくら通り整形外科
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。
引用画像(一部改変):i肘関節外科の要点と盲点 (整形外科knack & pitfalls)第一版 文光堂

引用画像(一部改変):i肘関節外科の要点と盲点 (整形外科knack & pitfalls)第一版 文光堂

今回は剥離骨折の完治のために
患者さん自身でできること、注意点について
解説いたしました。

一般的な剥離骨折の
完治までどのくらいの期間がかかって、
どのような治療スケジュールで治療するのか?

ということについては
こちらの記事をご参照ください。

剥離骨折の全治までの治療期間は?専門医がシミュレーション

2016.10.21

 

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。
本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

今回の剥離骨折とは英語ではavulsion fractureのことを指します。
ただ、元来、avulsion fractureは裂離骨折(れつりこっせつ)
と言う言葉が正しいとされ、
剥離骨折という言葉は間違って使われている。

と言葉の使い方に厳しい先生が指摘されるケースは
よく見てきました。

現段階では日本整形外科学会は
どちらの用語も認めておられます。

用語集の解説を引用いたします。

【avulsion fracture】
この語は第 5 版増補までは「裂離骨折」としていたが,第 6 版では「裂離
骨折,剥離骨折」と 2 通りの言い方を認めた.元来 avulsion fracture は骨折
機序に重きを置いた用語で,筋腱付着部の骨が引っ張られることによる骨折を
意味する.本用語集では従来からこれを「裂離」と呼び,母床から離れている
かどうかに重きを置いた「剥離」とは区別してきた.また手術操作としての
「剥離」と同じ日本語になることを回避する意味もあった.しかし現実には
avulsion fracture を「剥離骨折」と言う習慣が根強くあり,審議の結果,2 つ
を併記することにした.この判断については,会員から賛否両論が寄せられた
が,第 8 版では変更せず,継続課題とした.
整形外科学用語集 第8版 日本整形外科学会編

そもそも剥離骨折とは?

剥離骨折の定義、特徴については
こちらの記事をご参照ください。

剥離骨折とは?どんな症状?意外と多い勘違い 専門医解説

2016.10.19

剥離骨折とは、筋肉や靱帯の付着部である骨が
一部剥がれるように折れてしまう。

そのメカニズムは肉離れや靱帯損傷と類似している。

ということなんですね。

剥離骨折の完治に必要な条件

それでは、剥離骨折の完治について
必要な条件を整理していきましょう。

  • 骨折部のしっかりした癒合
  • 骨折部周囲の関節の可動域回復
  • 骨折部周囲の筋力回復

この3つが、当然ながら、
必要な条件になります。

それぞれについてできること、
注意点について解説していきましょう。

骨折部のしっかりした癒合

骨折がしっかりとくっつかないと
その骨にくっついてた
筋肉や靱帯の働きが
落ちてしまうことになりかねないです。

そのために一番大切なことは、

必要十分な固定、安静となります。

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長くがっちり固定しすぎても、
後述する可動域や筋力が落ちますし、

短い期間、軽く固定するのでは、
骨がグラグラ動いて、
ズレが大きくなったり、くっつかない
というリスクが高まります。

そういう意味で、
ちょーどいい感じの固定が必要なわけですが、

それを必要十分と表現しました。

必要十分な固定法と期間を判断するのが、
手術をしない場合の主治医の仕事です。

そのため、自分でできるポイント、注意点としては、

しっかりと定期受診をサボらない
ということ、
しっかりと主治医の指示を守る

という、これまた当たり前すぎる話ですが、
これに尽きます。

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骨折部周囲の関節の可動域回復

次に固定を外した段階で、
骨折部周囲の関節が
一時的にカタくなっていますので、

そこから関節の動きの幅を
回復させていくことになります。

これも引き続き、

しっかりと定期受診をサボらない
ということ、
しっかりと主治医の指示を守る

ということは大切です。

どのくらい積極的に、
痛みを我慢しながらリハビリとして、
関節を動かしていいかの判断を
主治医にしてもらうためです。

その上で、

 

多少の痛みは我慢して動かしていい

という話があれば、
リハビリを積極的にやっていきましょう。

そこでのポイントは

筋肉の付着部の剥離骨折の場合は、
できる限り力を抜いてやるということです。

筋肉に力が入ってしまえば、
剥離骨折部を引っ張ることになりますので、
ズレるリスクが多少あがります。

また、その剥離骨折部にくっついてる
靱帯や筋肉が引っ張られる方向の動きについては、
痛み具合をより注意しながらやりましょう。

逆方向であれば、
多少痛くてもどんどんやって問題ないことが多いですが、

引っ張られる方向は、
骨折部がズレる方向に力が加わりますので、
注意が必要です。

骨折部周囲の筋力回復

最後に筋力の回復ですね。

特に剥離骨折した部位に付着している筋肉の
筋力を回復させるトレーニングは、

しっかりと骨がくっついてからやるべきです。

 

1つの目安としては、
その筋肉のストレッチをやって、

逆側の骨折した方と同じくらいの
「やわらかさ」まで回復してから
トレーニングをやるというのがオススメです。

 

 

ここまで剥離骨折の完治のために
必要な条件3つと、そのための注意点について解説いたしました。

その3つは

  • 骨折部のしっかりした癒合
  • 骨折部周囲の関節の可動域回復
  • 骨折部周囲の筋力回復

ということでしたね。

 

少しでも参考になりましたら幸いです。

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骨折は最初の2週間が勝負!


骨折の治療は骨がくっつきだしてしまうまでの最初の2週間で成否が決まると言っても過言ではありません。

納得いく治療を受けていただくために、こちらの記事を一度お読みください。

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当サイト管理人の歌島は関東の複数の病院で診療を行っております。

どうしても多くの患者さんを拝見している中で時間をかけて人1人と向き合う時間がないのが悩みですが、それでも、患者さんの希望を、理想的にはゴールをできるだけ掴んで、お手伝いできること、提供できることを常に探しながら診療しております。

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