有鉤骨骨折とは?その症状と痛みの特徴を専門医が解説

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歌島 大輔

歌島 大輔

スポーツ整形外科医師(非常勤)さくら通り整形外科
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

今回は有鉤骨骨折について、

有鉤骨とは?
さらに似た部位で有鉤骨鉤とは?

ということから、
その症状、痛みの特徴について

専門医の視点でできるだけわかりやすく
噛み砕いて解説したいと思います。

 

 

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。
本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

有鉤骨とは?有鉤骨鉤とは?

有鉤骨は手根骨の1つ

まず有鉤骨(ゆうこうこつ)
という骨についてですね。

有鉤骨は手のひらや手首を構成する
手根骨という骨のひとつです。

手根骨は8個あって、

前腕側4個、
指側に4個と

2列になって並んでいます。

前腕側が、親指側から

  • 舟状骨(しゅうじょうこつ)
  • 月状骨(げつじょうこつ)
  • 三角骨(さんかくこつ)
  • 豆状骨(とうじょうこつ)

と並んでいて、

指側の列では親指側から、

  • 大菱形骨(だいりょうけいこつ)
  • 小菱形骨(しょうりょうけいこつ)
  • 有頭骨(ゆうとうこつ)
  • 有鉤骨(ゆうこうこつ)

となっています。

引用元:プロメテウス解剖学アトラス解剖学総__運動器系_第2版 医学書院

引用元:プロメテウス解剖学アトラス解剖学総__運動器系_第2版 医学書院

つまり、有鉤骨は
2列のうち、指側、小指側に位置する
手根骨ということになります。

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有鉤骨は手のひら側に出っ張る有鉤骨鉤がある

有鉤骨という骨のポイントは
有鉤骨鉤という出っ張りがあるということです。

この有鉤骨鉤というのは、
手のひらの小指側にあり、

このイラストを参考に
注意深く探っていくと、
カタい部分が触れます。

引用画像:復帰をめざすスポーツ整形外科  第一版 メジカルビュー社

引用画像:復帰をめざすスポーツ整形外科 第一版 メジカルビュー社

さらにポイントとしては、
この有鉤骨鉤は

横手根靱帯という靱帯と
小指球筋という筋肉の付着部であるということと、

手根管という、
正中神経指を曲げる筋肉の腱が入っている
スペースの小指側の壁を形成しているということです。

有鉤骨骨折の原因は?

ここまで有鉤骨という骨の基礎として、
解剖学的な特徴をご説明いたしました。

特に原因として重要なのは、
有鉤骨鉤です。

手のひら側に出っ張り、
さらに手首の小指側に位置するので、

野球やテニス、ゴルフなどの
棒状のものを握ってスイングするスポーツの、

とくにグリップエンド側(下の手)で
オーバーユースによる疲労骨折を起こす。

もしくは、一発の無理な力で
骨折を起こす。

ということがあるわけです。

それ以外にも、
通常の手首の捻挫のような
捻ったり、無理な力が加わったときに
折れてしまうこともあります。

有鉤骨骨折の症状、痛みの特徴

この有鉤骨骨折の症状は
手首の小指側の痛みということになります。

手首を動かしたときに痛い
ということで、

特に注意点としては、

手首の捻挫やTFCC損傷と間違えやすい
ということです。

ここが折れても、
手のひらには皮下脂肪がしっかりあり、
皮膚も分厚いので、

腫れや内出血が目立たない、

レントゲンでも骨折が非常にわかりにくい。

ということが1つの原因です。

 

レントゲンでは、このような手根管がみやすい
撮影方法によって、
描出できることもありますが、

引用画像:達人が教える外傷骨折治療 第一版 全日本病院出版会

引用画像:達人が教える外傷骨折治療 第一版 全日本病院出版会

それでもズレがほとんどなければ、
CTやMRIなどが必要になります。

引用画像:達人が教える外傷骨折治療 第一版 全日本病院出版会

引用画像:達人が教える外傷骨折治療 第一版 全日本病院出版会

結局は、有鉤骨骨折をしっかりと疑えるかどうか

これにかかっているわけですね。

 

有鉤骨骨折を疑う2つの症状

そういった意味では、
実際、触れて、動かしてみることで

有鉤骨骨折を疑うべきポイントが2つあります。

有鉤骨鉤に圧痛がある

1つは
正確に有鉤骨鉤を押してみて、
痛いかどうか。

つまり、圧痛点ですね。
こちらの先ほど出てきたイラストを参考にしてください。

引用画像:復帰をめざすスポーツ整形外科  第一版 メジカルビュー社

引用画像:復帰をめざすスポーツ整形外科 第一版 メジカルビュー社

power grip positionで痛いか?

ただ、骨折から時間が経っていると、
圧痛がなくなっていることもあります。

 

そのため、もう一つ

power grip positionでの痛みがでるかどうか?

これを調べてみましょう。

これは手首を小指側に曲げて(尺屈)、
小指か薬指を曲げる

というポジションです。

引用画像:復帰をめざすスポーツ整形外科  第一版 メジカルビュー社

引用画像:復帰をめざすスポーツ整形外科 第一版 メジカルビュー社

このときに、有鉤骨骨折があれば、
指を曲げる腱が、その骨折部と干渉して、
痛みが出ます。

 

ここまで、有鉤骨骨折の基礎、症状について
解説いたしました。

少しでも参考になりましたら幸いです。

 

次は、この有鉤骨骨折の治療法について
こちらで解説しておりますので、
ご参考になさってください。

有鉤骨骨折の治療法は?手術は何をする?専門医解説

2016.10.26

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