足の甲のひびはこの3つに分けて考えるとシンプルになる 専門医解説

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歌島 大輔

歌島 大輔

スポーツ整形外科医師(非常勤)さくら通り整形外科
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

今回は足の甲に「ひび」が入ってしまったというときに、それはどのくらい重症で、どのように治療していけばいいのか?ということを考えるときのポイントをお伝えできればと思います。

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。 本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

足の甲のひび=足の甲のたくさんある骨のどれかの骨折

足の甲のひびということですが、「ひび」というのは医学的には=骨折です。ずれがほとんどない骨折を俗称的に「ひび」と表現するわけですが、それは結局、骨が折れた状態です。

ただ、もちろん、「ずれがほとんどない」というのは「ずれが大きい」場合に比べれば骨がくっつく可能性が高くも、くっついたあとに変形を残す可能性も後遺症を残す可能性も少ない、もっと言えば、さらにずれが進行する可能性も少ない安定した軽症型骨折であることは確かです。

そのため手術することは少ないわけですが、それゆえ、どういう足の固定(ギプスなど)をして、体重のかけかたはどうすればいいのか?ということが重要になってきます。

それを考えるには足の甲にはたくさんの骨があることを知る必要があります。どの骨のどの部分の骨折かで固定方法や体重のかけ方などが変わってきます。

足の甲を構成する骨を関節視点で把握する

足の甲を構成する骨はたくさんありますが、治療においてはどの骨が折れたかというよりは、「どの関節に近いところが折れたか?」が大切です。

足の甲には実は3つも主たる関節があります。

引用画像(一部改変):足の外科の要点と盲点 (整形外科knack & pitfalls)第一版 文光堂

引用画像(一部改変):足の外科の要点と盲点 (整形外科knack & pitfalls)第一版 文光堂

つま先のほうから順に説明します。

MTP関節 つま先立ちの支点

足の指の付け根にあたる関節をMTP関節と言います。中足指節関節(ちゅうそくしせつかんせつ)のことで,metatarsophalangeal jointを略してMTP関節です。

ここは指の支点ですが、さらに重要なのはつま先立ちや歩行で最後に地面を蹴るときに支点となる重要ポイントです。

リスフラン関節 まさに足の甲

次にリスフラン関節です。

これは中足骨(ちゅうそくこつ)という長い骨と足根骨(そっこんこつ)という小さな骨との関節です。ちょうど足の甲の中央くらいに位置します。

ショパール関節 ほぼ足首

一番足首よりがショパール関節です。

足根骨のうち足首に近い舟状骨(しゅうじょうこつ)と立方骨(りっぽうこつ)が、足首の中心の骨と言ってもいい距骨(きょこつ)と踵の骨である踵骨(しょうこつ)と作る関節です。

ここまで来ると機能的にはほぼ足首ですね。

どの関節に近いかを判断して固定や安静方法を考える

足の甲のひびがどの部分に入っているか?で、どういう固定にして、体重のかけ方はどうするかが決まると言いました。 それぞれについて解説していきます。

引用画像(一部改変):足の外科の要点と盲点 (整形外科knack & pitfalls)第一版 文光堂

MTP関節

足の甲の中でもMTP関節周囲の骨のひびですが、MTP関節は足の指の付け根と言いましたので、まず固定は足の指の固定が必要です。

足の指の固定は主にアルフェンスという簡易型の副え木をテーピングで固定するという方法が一般的です。

こちらの記事もご参照ください。

足の指の骨折はどう固定?固定が必要?専門家解説

2016.09.28

かかと歩行やべた足歩行

体重のかけ方は、完全に松葉杖で足を浮かせる免荷歩行までは必要ないことが多いです。

少し徹底するとすれば、かかとだけを設地して歩く、「かかと歩行」をして、そこまででなければ、「べた足歩行」と言って、べたべた歩く方法でつま先への負担を減らします。

通常歩行はかかとから地面に接地して、足全体がついて、かかとが浮いて、つま先だけになって、離れる。 という流れですが、

べた足歩行では足全体で接地して、足全体で離れるという歩行です。これによってMTP関節を支点とした動きもなくし、MTP関節で体重を支えることもなくします。

リスフラン関節

次にリスフラン関節周囲の骨のひびの場合です。

リスフラン関節は足の甲の中心と言いました。ここはあまり動かないですよね。関節運動としては少ない場所です。 ただ、足のアーチの中心となる部位ですので、体重を支える足の役割の中心と言ってもいいわけですね。

非常に重要です。

つまり、ここの骨のひびの場合は、体重をかけるという負荷(荷重)をどうコントロールするかがポイントになります。

免荷(めんか)松葉杖から段階的に

ひびと言っても、最初はズレやすいですから、しっかりと免荷とします。免荷とは体重を全くかけないということですので、足をつかないという徹底が必要です。

それには可能であれば松葉杖で片足で歩くと言うことです。

それが何らかの原因(腕も負傷したとか、両足負傷とか・・・)でできない場合は車椅子やベッド上安静ということになります。

そこから、骨が安定していくのを確認しながら、少しずつ足をつく量(荷重量)を増やしていくということが必要になります。

足のアーチをサポートする足底板(インソール)

体重をかけるときに、足のアーチが崩れると骨のひびが入ったところに負担がかかるので、アーチサポート型足底板言って、土踏まずなどの足のアーチをしっかりサポートするような足底板を作ります。それを使うことで、足の甲のひびに対する負担を減らすことができます。

ショパール関節

足の甲のひびの部位の最後は、ショパール関節です。ショパール関節はほぼ足首と言いましたが、そのため、固定も足首の固定が必要です。

「すね」である下腿から足首をまたいで足を固定するようなギプスやシーネを行います。

免荷(めんか)松葉杖から段階的に

体重もリスフラン同様かかる場所ですから、最初は免荷が必要になります。そこから段階的に上げていくのも同様です。

まとめ

今回は足の甲のひびについて解説いたしました。ざっくり「足の甲」ではなく、MTP関節、リスフラン関節、ショパール関節という3つの関節という視点で考えることで治療が自ずと見えてくるというところをお伝えいたしました。

少しでも参考になりましたら幸いです。

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骨折は最初の2週間が勝負!


骨折の治療は骨がくっつきだしてしまうまでの最初の2週間で成否が決まると言っても過言ではありません。

納得いく治療を受けていただくために、こちらの記事を一度お読みください。

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