骨折と熱(熱感や熱発)にまつわる疑問をスポーツ医が解説

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歌島 大輔

歌島 大輔

スポーツ整形外科医師(非常勤)さくら通り整形外科
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

骨折をしただけなのに熱が出るの?

骨折をした部分が熱を持ってるんだけど大丈夫?

熱感ってどういうこと?

 

骨折は身体の損傷ですから、それを治すためにも身体は炎症を起こします。その炎症の結果、身体は熱を帯びます。それが熱感だったり熱発だったりするわけですが、やっぱり心配になりますよね。

ということで、これらの骨折と熱ということについての疑問にお答えするような形でお届けしていきたいと思います。

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

骨折部が熱を持つ(熱感)は異常か?

まず骨折した部位が熱を持つということについて解説いたします。

身体の一部が他の部位に比べて熱くなることを熱感と言いますが、これは主に炎症の症状の1つです。

ある程度の炎症の結果として熱感は当然ある

骨折を治そうと一気に血液を介して様々な治療材料になる物質を骨折部に集めることが炎症の目的ですが、

血液が集まることや治療物質を活性化させるために、骨折部と周囲の温度が上がります。これは通常、必ず起こる反応です。

だんだん強まる熱感は注意

ただし、この熱感は骨折後数日すると、徐々に改善してきます。

しかし、逆に徐々に熱感が強まる場合は注意が必要です。

 

それは炎症が一番強いはずの骨折直後よりも、なんらかの理由で炎症が強まっているということを表しています。

特に骨折部位が腫れ、そこに細菌が住みつき、繁殖してしまうような化膿(かのう)した状態は早期の治療が必要ですので、次の予約が先だとしても、連絡するなどしてできるだけ早く病院を受診しましょう。

骨折しただけなのに熱発することってある?

もう一つは骨折したときに、全身の体温が上がってしまう。 つまり、熱発ですね。

これはよくあることなのか?

という質問がありますが、これは実際は38℃を越えるような本格的な熱発は頻度は高くありません。

子どもの場合は熱発しやすい

子どもの場合は体温調節のはたらきがまだ未発達なので、ちょっとしたこと…といっても、骨折ですが、 ちょっとしたことで熱発しやすいという傾向があります。

だから、熱発しても気にするなということではありませんが、特に他の症状がなくて、元気にしているようであれば主治医と相談の上、経過をみてもいいかもしれません。

高齢者の熱発は他に何か原因がないか特に注意を

ご高齢の方の骨折時の熱発は注意が必要です。

骨折の結果、活動性が落ちて、 その結果、肺炎や尿路感染症(腎臓から尿道の尿の通り道の感染)などを起こすことがあります。

そういった熱発の原因がないかどうか、特にご高齢の方では注意する必要があります。

大きな骨折ならそれだけでも熱発することあり

どんなに元気な若者でも、アスリートでも、

大腿骨(太もも)の骨折や骨盤の骨折など、大きな骨の重症骨折であれば、熱発することもあります。

逆に熱発するということは、それだけ重症とも言えます。

骨折で発生する熱は冷やしていい?

骨折で発生する熱、

それは、骨折部の熱感であったり、 全身の熱発だったりするわけですが、

これにはどう対処すればいいのでしょうか?

高い熱は冷やすが、軽い熱は放置

僕が患者さんにお伝えしているのは、

「高い熱は冷やした方がいいが、軽い熱は放置しましょう。」

ということです。

 

この熱は治そうとしている反応ではあり、必要な熱でもあるわけです。そういう意味ではなんでもかんでも冷やすことで、血の巡りを悪くすることはいいとは言えません。

ただ、これもよく言うのですが、

「たいてい身体は行き過ぎます。」

身体は治そうとして、炎症を起こすのですが、それがいきすぎて、逆に組織を破壊して、治りが遅れてしまうことがあります。

熱発も高熱が続けば、体力が失われてしまいますから、ある程度抑えることが有効と考えています。少なくともおでこや腋窩部などを冷やすことはやっていいと思います。

まとめ

今回は骨折と熱というキーワードで、

  • 骨折部の熱感の注意点
  • 骨折したときの熱発の注意点
  • 骨折したときの熱は冷やすべきか?

ということについて解説いたしました。

少しでも参考になりましたら幸いです。

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骨折は最初の2週間が勝負!


骨折の治療は骨がくっつきだしてしまうまでの最初の2週間で成否が決まると言っても過言ではありません。

納得いく治療を受けていただくために、こちらの記事を一度お読みください。

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歌島 大輔

スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。