骨折かも!? 病院はどこの何科にいつ行くべき? 専門医解説

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歌島 大輔

歌島 大輔

スポーツ整形外科医師(非常勤)さくら通り整形外科
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

「これ、もしかして骨折してるかも・・・!?」

「どんどん腫れてくるし・・・」

でも、もう夜だし、病院は終わっちゃっている。 ということは少なくないですよね。

どんな症状の時に、どのタイミングで どこにある(家の近く?職場の近く?都内?県内?市内?) どんな規模の病院の 何科に行ったらいいのか?

そして、行く前に準備することはあるのか? 心づもりは?

そんな数ある疑問にできるだけ丁寧にお答えできる記事をと思って書いております。

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

これがあれば骨折を強く疑う

患部の腫れ:骨折部位や周囲から出血する

実は骨というのは骨髄というモノがあり、血の巡りが豊富です。ですから、骨折すると骨折部から出血します。

骨盤骨折や大腿骨骨折などの大きな骨では、1リットル以上の出血があるほどです。

そして、骨折するほどの外力ということはその周りの筋肉や筋膜、骨膜、皮下脂肪なども損傷して、出血します。

この出血が腫れの最初の大きな原因です。

時には骨折部以外が腫れたり青黒くなることも

この出血が重力に沿って、だんだん下りてくることがあります。例えば、肩の骨折をしてしまったのに、翌日には肘から手までが真っ黒に腫れてしまうなんてことや、

足首の骨折でかかとにあざができてしまうことなどが典型的です。

その部位に痛みがなければ、単に出血が下りてきただけと考えていいでしょう。

炎症の結果

また出血以外にも、その骨折や周囲の損傷を治そうと、身体は炎症を起こします。

炎症というのは血液を通って、さまざまな身体を治す物質や逆にダメになった部分を食べてしまう細胞が集まってくる状態や反応のことですが、

その結果、滲出液というものが溜まり、腫れてしまいます。

痛みで関節が伸ばせない、曲げられない

関節を動かすと骨折部にも負荷がかかります。それがより「ずれよう」とする力になりますから、曲げると痛い、痛くて曲げられないというような症状は

単なる打撲では、あっても軽く、骨折では顕著である可能性が高いです。

圧痛部位 押していたい場所

押して痛い場所、すなわち圧痛部位がどこにあるかも大切です。

打撲したところはピンポイントに痛いに決まってますが、骨折の場合はその骨の少し広い範囲に圧痛があります。

また、打撲は皮下組織までの損傷ですから、打撲部位の皮膚から皮下脂肪をちょっと脇にずらして、骨を押すと痛い…というような圧痛点の探し方をしたりもします。

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骨折を疑ったら行くのは整形外科だが、どこの病院?いつ?

まず骨折を疑ったら、行くのは整形外科(せいけいげか)です。

整形外科というのは歴史的にこの名称ですが、本来のやっていることは運動器外科になります。

運動に関与する臓器を治療する科です。 首から下の骨、関節、筋肉、靭帯、神経などの治療を行う科ということですね。

そのため、通常、骨折を疑ったら整形外科です。

 

 

例外はです。

頭は脳神経外科、脳外科と呼ばれる科が専門で、 顔はパーツ毎に細分化されます。目の周囲なら眼科、耳や鼻なら耳鼻科、口の中なら口腔外科、もう少し大雑把に顔の骨としていうと形成外科となります。

形成外科は整形外科と間違いやすい科ですが、形成外科は美容整形外科を含むことでもわかるとおり、皮膚などの表層を扱います。より美容上重要な顔の骨は形成外科が治療することもあるというわけです。

整形外科と美容整形外科は全然違います。僕は整形外科医ですが美容整形の処置はまったくできません。経験もありません。

 

個人的には胸の骨、すなわち肋骨も呼吸器外科や一般外科が診察した方が本質的にいいと思うんですが、実際は整形外科が診るのが通例です。

 

頭をなぜ脳外科が診るのか?と言えば、頭蓋骨骨折を疑うときはその中の脳の損傷をしっかり診ないといけないからですね。

それと同様に胸の外傷ではその中の肺が気胸(穴が空いて空気が漏れる)や血胸(肺の出血が溜まる)がないかをチェックする方がはるかに重要です。 現状は、それも整形外科医がやって、怪しいと思えば呼吸器外科などにコンサルトする流れですが、むしろ、最初から呼吸器外科が診た方が見逃しなども減っていいと思うんですけどね。

 

僕の愚痴のようになってしまいましたが、

例外はあれど、骨折を疑ったら整形外科にかかるというのが基本です。

では、どのタイミングでどんな病院にいけばいいのか? ということの目安をお伝えします。

急いで救急車を呼んで大きな病院を受診すべきケース

まず大急ぎで救急車を呼んだ方がいいケースです。

この場合は当然、受け入れ可能な大きな救急指定病院に行くことになります。

  • 開放骨折を疑う場合
  • 高エネルギー外傷と呼ばれる重症な外傷
  • 骨盤骨折や大腿骨骨折など大きな骨の明らかな骨折
  • 神経が麻痺している疑いがあるケース
  • 内臓が損傷している疑いがあるケース

これらが大急ぎで救急車を呼んだ方がいいケースです。

開放骨折を疑う場合

開放骨折(かいほうこっせつ)というのは別名、複雑骨折とも言いますが、骨折部分の近くにキズがあって、そのキズが骨折部分と繋がってしまっている状態です。

一番わかりやすいのは骨折部分が皮膚の外に出てしまっている、なんとも重症な状態ですが、そこまでいかなくても、骨が折れたかもしれない状態で、かつ、その近くに深いかもしれないキズ(キズの大きさは関係ありません)がある場合は開放骨折を疑うべきです。

その場合は時間との勝負です。

 

開放骨折では骨折部分に細菌が侵入してしまっていますから、急いで洗い流さないと、繁殖してしまって、膿んでしまう危険があります。

それ以外にも血管や神経を傷めている可能性もありますし、とにかく重症なのが開放骨折です。

開放骨折についてはこちらの記事もご参照ください。

開放骨折とは?専門医がわかりやすく解説します

2016.10.02

高エネルギー外傷と呼ばれる重症な外傷

これは交通事故や高所からの転落などが多いですが、そういった高いエネルギーが身体に作用してケガをしてしまう外傷を高エネルギー外傷といって、それだけで重症と考えられています。

当然ですね。

そのエネルギーが身体に加わったとしたら、どこかでそのエネルギーが使われています。それは骨を折るために使われたか、内臓を損傷するために使われたか、その両方か・・・などなど。

骨盤骨折や大腿骨骨折など大きな骨の明らかな骨折

骨盤骨折や太ももの骨である大腿骨の骨折など、大きな骨が明らかに折れているときは、基本的には歩けないと思います。

そして、大きな骨ゆえ、折れてしまうと、想像以上に出血しているものです。

ときに数リットルに及ぶ出血なんてこともありますから、甘く見てはいけません。

神経が麻痺している疑いがあるケース

神経が麻痺している疑いというのは、主に骨折を疑う部分より末梢の動きや感覚で判断します。

例えば、肘を骨折したかもしれないと考えたら、指の動きが大丈夫か、手の感覚はあるか?などを確認し、

もし指が全然動かない、感覚がないなんてことがあれば、神経損傷の疑いがあります。これも救急車を呼んだほうがいいケースです。

内臓が損傷している疑いがあるケース

内臓が損傷しているかもしれないケースは、シンプルに胸やお腹など内臓がある部分が動きに関係なく痛いというのが典型的です。

骨盤の骨折や肋骨の骨折でも胸やお腹が痛くなりますが、それは表層の痛みで、かつ動いたりした時の痛みが中心になっていますが、

内臓が損傷していると動いていなくても痛いことが多いわけですね。

それ以外にも、息苦しい、食事が取れない、吐き気があるなどももちろん注意が必要な症状です。

救急車は必要ないがその日に受診すべきケース

次に救急車は必要ないが、その日のうちに受診するべきというケースです。

この場合は通常の診療時間帯であればお近くの整形外科を受診し、時間外であれば地域の救急医療相談センターのような電話に問い合わせるのがオススメです。

時間外であれば、すべての病院で整形外科医が常駐しているわけではありませんので、まず整形外科医がいる病院を教えてもらって、その病院に電話問い合わせするというのが順番です。

 

ときどき、何の連絡もなく救急病院にこられる人がいますが、これはやめましょう。救急車であっても、受け入れ可能かどうか連絡した上で病院受診するわけです。

何の連絡もなく病院に行っても、整形外科医がいないケース、いても重症患者さんの治療で手が離せないケースなんてのはザラにあります。

救急外来は24時間やっているコンビニエンスストアとは違います。次の診療時間まで待つことで命に関わってしまうか後遺症のリスクが高まってしまう場合の診療、処置を行う場所です。

間違っても、仕事で日中は行けないから、学校で日中は行けないからという理由でかかっていい場所ではありません。

さて、この時間外だろうとその日のうちに受診すべきケースというのは、

  • 上肢の骨折疑いで腫れているとき、動かせないとき
  • 下肢、体幹の骨折疑いで歩けないとき
  • どこの骨折でも明らかに変形しているとき

シンプルに言うと、このときだろうと思います。

腫れが少なくても、多少動かせても、多少歩けても、それでも骨折していることはありますが、その場合は、翌日まで待っても大事に至らないケースが多いだろうと思います。

もちろん、心配であれば救急の相談センターに電話連絡したり、整形外科医がいる救急病院に電話していいと思います。

翌日以降の平常の診療時間帯に受診すべきケース

次に救急外来は行かずに様子を見て、翌日の平常の診療時間帯に受診するべきケースです。

  • 上肢の骨折疑いだけど動かせるし、腫れも少ないとき
  • 下肢、体幹の骨折疑いだけど歩けるとき

大雑把に言うと、こんな感じでしょうか。

ただ、このような場合でも 翌日(もしくは直近)の平常外来にはかならず受診しましょう。

骨折疑いで数日様子を見るというのはオススメできません。 治療が遅れますし、その間に骨折がだんだんズレてしまうなんてこともあり得ます。

土曜日にすぐに病院行きたいときは?

土曜日というのは午前中であれば診療している病院やクリニックは多いと思いますので、まず、そういった通常外来にかかれないかを考えます。

東京都内であればわたくしも外来をやっております。骨折の初期治療は得意ですのでご相談ください。

診察希望のお申し込み

日曜日・祝日に病院に行きたいときは?

日曜・祝日は当然、救急外来しかやっていません。 その上、整形外科医がその日に病院にいるかいないか?というのも大切なポイントですので、必ず電話で問い合わせをした上で、受診可能と言われた病院を受診することです。

その際、救急外来は応急処置をする場所ですので、原則的には翌日にも通常外来を受診する必要があります(仕事や学校を休んだり、遅刻、早退してでも)。

行った方が良さそうだけど、どうしても行けないときは?

ここまで解説したようなタイミングでどうしても病院に行けないというようなときはどうしたらいいでしょうか?

大原則、身体が第一ですから、必要に応じて「どうしても行けない」なんて言わないで受診するように! というのが本音ですが、

それでもどうしても・・・

ということもあるかもしれません。

そんなときはリスクを覚悟の上で、これから述べる、病院に行くまでの準備を徹底しておきましょう。

病院に行くまでの準備は?

ということで、病院に行くまでの準備です。

患部の安静・固定

まず患部を安静にすることです。これは徹底します。

例えば、包帯をグルグル巻きにするだけでも多少動かしにくくなりますし、腕であれば三角巾がわりにタオルなどで腕を吊っておくなどもいいですね。

シンプルに痛くないように、痛くないように病院に行きます。

ここで豆知識的に頭に入れておくと役に立つかもしれないことですが、

骨折や脱臼は牽引、すなわち引っ張る分には大抵安全です。

例えば、肩を脱臼してしまったときに、 このように下にダランと重力に従って垂らしてしまうのも重力による牽引です。

病院にくるまでに無理に引っ張ったりする必要はありませんが、 どうやっても痛い、 というときにやや引っ張りながら手を持っておくとか、重力に従ってできるだけ力を抜いておくなんていうのは1つ助けになるかもしれません。

指輪をはずす

あと、多いのが、手首や手、腕の骨折で指輪が外れなくなってしまうことです。どうしても腫れて、むくんできますから、外れなくなってしまうんですね。

そのため、ケガをしたら、すぐ指輪を外すというのがオススメです。

お薬手帳を持っていく

病院にはお薬手帳を持っていきましょう。なければ、お薬そのものでもいいですね。

今飲んでいるお薬がわからないと我々も出すお薬を慎重にせざるを得ません。相互作用も心配ですし、重複してしまうかもしれないということですね。

費用

骨折のときの初診費用ですが、骨折の整復処置などはある意味で「手術」ですから、保険適用とはいえ、それなりの支払いが発生します。

また、救急外来では会計の処理ができない病院も多く、その場合は一時金として例えば「1万円」をお預かりして、後日、正確なお支払いということもあります。

ただ、銀行やコンビニなどにお金を下ろすために寄り道するよりも、状態によっては早く病院を受診した方がいいので、あまり気にしすぎず、まずは受診しましょう。

まとめ

今回は骨折を疑ったときの対処法全般をまとめました。 参考になりましたら幸いです。

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骨折は最初の2週間が勝負!


骨折の治療は骨がくっつきだしてしまうまでの最初の2週間で成否が決まると言っても過言ではありません。

納得いく治療を受けていただくために、こちらの記事を一度お読みください。

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当サイト管理人の歌島は関東の複数の病院で診療を行っております。

どうしても多くの患者さんを拝見している中で時間をかけて人1人と向き合う時間がないのが悩みですが、それでも、患者さんの希望を、理想的にはゴールをできるだけ掴んで、お手伝いできること、提供できることを常に探しながら診療しております。

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スポーツコーチングドクター歌島のプロフィール

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