踵の骨折に有効な3つの装具を専門医がわかりやすく解説

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歌島 大輔

歌島 大輔

スポーツ整形外科医師(非常勤)さくら通り整形外科
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

踵の骨折、すなわち踵骨骨折(しょうこつこっせつ)は足首を捻ってしまったり、高いところから転落して足から着地したときなどに起こりやすいモノで、時に治療が難渋することもある骨折です。

骨折の治療の中で骨折部の負担を軽くしながらリハビリを行ったり日常生活を行ったりするために「装具」を使うことがありますが、踵の骨折ではその頻度が多いと言えます。

それだけ装具が治療において大切になるということですが、その装具にも主に3種類あって、それぞれの特徴、意味、注意点について解説したいと思います。

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

踵の骨折に使う装具

踵の骨折に使う装具は主に3種類あり、それぞれ使う目的が違いますので正しく目的や特徴を理解しながら使用していきましょう。

基本は主治医の指示のもと使用装具が決まってくるわけですが、ときには逆に患者さんから「こういう装具はどうですか?」と聞いてみてもいいと思います。

グラフィン装具(踵免荷装具)

グラフィン装具と呼ばれるモノで踵に体重がかからず、足の前方で体重を受けるように踵が浮いたような構造になっています。

グラフィン装具の例
(リンク先はテクノブレイスさんのショートタイプグラフィン装具です。)
http://www.technobrace.com/products/product17.html

踵骨骨折の治療成否のポイントはいかに骨がくっつくまで体重をかけないか?ということになります。

しかし、骨がくっつくまでには1–2ヶ月かかりますから、それまで松葉杖や車椅子での生活もなかなか大変ですし、足の筋肉も落ちていってしまいます。

そこで骨折した踵の骨には体重をかけずに、でも、足全体には体重をかけて歩くための装具です。

松葉杖で片脚歩行が難しい人(高齢で歩行が不安定だったり、両手をフルで使えない事情があったり、逆側の足もケガをしていたりなど)や、早期から少しでも足を使いたい人などが適応です。

また、グラフィン装具も多少長いタイプになると足首もしっかり固定されるのでゆるめのギプス固定のような効果もあります。

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踵の骨折でグラフィン装具を使うときの注意点

このグラフィン装具は踵骨骨折の理想的な装具のように思いますが、そんなにみんながみんな使う装具ではありません。

そのデメリットの一番は費用面ではないかと思います。

シンプルに高いです。

健康保険で7割ほど戻ってきても、それでも高いです。

価格は高いのですが、使うのは短期間、骨がくっつくまで・・・

なんか勿体ないですよね。

 

ですので、費用対効果というものも考慮に入れながら使用を検討してもらっています。

アーチサポートインソール

こちらは要は靴の中敷きですが、踵骨骨折の治療において一番作る装具じゃないかなと思います。

グラフィン装具のように踵に体重がかからないというところまではいきませんが、足の裏全体で体重を支えることで、踵の骨折部にかかる負担を減らすという目的で使います。

これも市販のインソールじゃなくて、足裏の形にピッタリフィットしたモノを作ることで効果が高まります。

踵の骨折でアーチサポートインソールを使うときの注意点

このアーチサポートインソールを使うときは体重をかける前提ですから、ある程度は骨折部が安定しているという判断のもとで作ります。

まだ体重を支えきれない状態と判断されれば、まだ時期尚早と言えますが、装具は採型して完成前1週間から2週間かかりますから、それを見越して作り始めます。

また、使用頻度が高い靴に合わせて作るので、インソールの採型時は靴を持参しましょう。

足関節内外反防止装具

最後の装具は一般的な足首の装具です。よく捻挫の時などにも使いますね。

特に足首が内側や外側に捻られないように支えてくれる装具(サポーター)を使います。

踵骨はその上の距骨(きょこつ)とともに距踵関節という関節があり、内側や外側に捻られるように動きます。 この動きが踵骨骨折の負担になりますから、この装具の出番になるわけですね。

踵の骨折で足関節内外反防止装具を使うときの注意点

この装具は踵骨にかかる体重を減らす作用もなければ、足首を強固に固定するわけでもないので、ある程度、骨がくっついて、足首を動かしてもいい、体重をかけてもいいという状態で使います。

スポーツなどへ徐々に復帰していく段階で使うのもいいですね。

まとめ

今回は踵の骨折の治療において使用する装具について解説いたしました。

踵骨骨折の特徴を掴みながら、それぞれの装具の目的を理解して使っていただくことが大切です。 少しでも参考になりましたら幸いです。

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骨折は最初の2週間が勝負!


骨折の治療は骨がくっつきだしてしまうまでの最初の2週間で成否が決まると言っても過言ではありません。

納得いく治療を受けていただくために、こちらの記事を一度お読みください。

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歌島 大輔

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