踵の骨折後 歩けるまでの期間は?全治は? 専門医が解説します

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歌島 大輔

歌島 大輔

スポーツ整形外科医師(非常勤)さくら通り整形外科
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

踵の骨折後はたいていは足に体重をかけることができません。すると、いつになったら歩けるのだろうか?全治はどのくらいなのか?ということが余計に気になってしまうと思います。

実際はケースバイケースで、経過を見ていかないと何とも言えないというのが本当のところですが、それでも目安や考え方があります。

一般的にどのように経過することが多いのか?というのがわかるだけでもだいぶ違いますよね。 ということで、僕の経験も踏まえて一般的な経過をお伝えしたいと思います。

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

踵の骨折後の歩けるまでの治療の流れと期間

踵の骨折をしてしまってから、まず1つの目標になる「歩ける」という状態までの治療の流れとその期間についてです。

この「歩く」ということは基本的には踵の骨にかかる体重との関係がポイントになります。これは手術をしてもしなくてもそこまで大きな違いはありません。

手術をして骨を固定しても、体重に耐えうるほどの固定はできないので結局は骨がくっつくのを待つしかないというのが現状です。

まず「歩ける」という状態は複数あることをおさえる

ひとくちに「歩ける」と言っても、その状態はいくつかのケースがあります。

松葉杖で体重をかけずに歩ける

まずは松葉杖を使って踵を骨折した側の足に体重をかけないようにして歩くということです。

これは松葉杖での片脚歩行ができる体力、スキルさえあれば骨折してしまったその日から可能です。 ただし、ある程度の両手の力とバランス感覚、慣れがないと逆に転倒のリスクもあるのが松葉杖の片手歩行です。僕の経験上はご健康な人でも50–60歳くらいからはなかなか難しい人もいらっしゃいます。

その点はよく理解し、時にはリハビリテーションなども活用しながら安全に歩けるように心がけてください。

装具を使って足にかかる体重を調整しながら歩ける

次の「歩ける」はかける体重を調整した歩行です。

それは先ほどの松葉杖を使っても体重を調整することができます。だいぶアバウトですが。

もしくは装具を使うということです。 装具は骨折後や手術後しばらくは腫れも強いので作製を待ちます。踵を完全に免荷する装具であれば、早めに使用しても踵の骨には負荷が少ないので、腫れが引けてくる2週間目以降くらいに作製して、その翌週くらいに装着するというケースが多いかと思います。

こちらで詳しく解説しておりますが、

踵の骨折に有効な3つの装具を専門医がわかりやすく解説

2018.03.03

グラフィン装具(踵免荷装具)

グラフィン装具と呼ばれるモノで踵に体重がかからず、足の前方で体重を受けるように踵が浮いたような構造になっています。

グラフィン装具の例
(リンク先はテクノブレイスさんのショートタイプグラフィン装具です。)
http://www.technobrace.com/products/product17.html

踵骨骨折の治療成否のポイントはいかに骨がくっつくまで体重をかけないか?ということになります。

しかし、骨がくっつくまでには1–2ヶ月かかりますから、それまで松葉杖や車椅子での生活もなかなか大変ですし、足の筋肉も落ちていってしまいます。

そこで骨折した踵の骨には体重をかけずに、でも、足全体には体重をかけて歩くための装具です。

松葉杖で片脚歩行が難しい人(高齢で歩行が不安定だったり、両手をフルで使えない事情があったり、逆側の足もケガをしていたりなど)や、早期から少しでも足を使いたい人などが適応です。

また、グラフィン装具も多少長いタイプになると足首もしっかり固定されるのでゆるめのギプス固定のような効果もあります。

フルで体重をかけて歩ける

そしていよいよ、いわゆる「歩ける」状態である、フルに体重をかけて歩くということですが、

これは踵の骨が全体重に耐えうる状態があることが必要です。

それはつまりは骨がかなりくっついた状態と言えます。

そこまではだいたい6–8週間程度はかかることが多いです。

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踵の骨折後の全治期間は?

「歩けるまでの期間」とともに気になるのが「全治期間」ですよね。

歩ける状態のその先には重労働への復帰やスポーツ活動への復帰があり、それらを含めて全治期間と言えるわけですね。

全治というのはどういう状態か?

人によって全治という言葉の定義が変わります。

元々、車椅子生活だから安静時の痛みさえ引いてくれればいいという人から、日常生活を不便なく過ごせればいいという人、重労働に復帰したい人、スポーツ復帰を目指す人で全然異なるわけですね。

日常生活レベルに完全復帰 ≒ 歩けるまでの期間

まずは日常生活レベルに復帰できればいいという人の場合ですが、その場合は体重を完全にかけて歩けるまでの期間と全治期間はほぼイコールだろうと思います。

多少、しゃがんだりとか、階段を上り下りしたりというところのリハビリテーションが追加で必要になることもありますが、大きな違いにはならないでしょう。

重労働 or スポーツに復帰はまた別問題

しかし、重労働やスポーツに復帰すると考えると別問題になります。

走ったり、ジャンプしたり、ステップを踏んだり、というような負荷に耐えるには踵の骨のくっつき具合もさらに強固な状態が求められます。同時に踵の骨の周囲、すなわち足首周りの動き(可動域や筋力)、また下半身から体幹の筋力なども十分に回復してからでないと、ケガの再発、別の部位のケガを引き起こしてしまいかねません。

そう考えると「歩ける状態」までの期間にプラスしてしっかりとしたリハビリを1–2ヶ月は最低必要と考えた方がベターだろうと思います。

そういう意味でスポーツや重労働への復帰は3–4ヶ月はかかることが多く、ときにそれ以上かかることもあると説明しています。

まとめ

今回は踵の骨折後に歩けるまでの期間と全治までの期間についての目安と考え方について解説いたしました。 少しでも参考になりましたら幸いです。

骨折というマイナス状態からゼロに戻すだけでなく、さらにプラスへ持っていく方法や考え方についてはメールマガジンで解説していますので、興味が持っていただけましたらご登録をお願いします。

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骨折は最初の2週間が勝負!


骨折の治療は骨がくっつきだしてしまうまでの最初の2週間で成否が決まると言っても過言ではありません。

納得いく治療を受けていただくために、こちらの記事を一度お読みください。

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スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。